慰謝料請求における”抽象的損害”をご存知ですか?
具体的な金銭的損失を伴わない精神的な苦痛や名誉の損傷も、法的には補償の対象となり得ます。
この記事では、抽象的損害が何を指し、どのようにして慰謝料請求の際に考慮されるのかを解説します。
目次 [ 閉じる ]
抽象的損害とは、金銭や物的な損失はないため、表面上は見えにくい精神的苦痛という損害のことを言い表します。
精神的苦痛とは他者からの嫌がらせ行為や不正行為によって精神が著しくダメージを負うこと示しています。
抽象的損害に該当する主なケース
金銭の損失や交通事故や暴行を受けて怪我をした場合などとは異なり、精神的苦痛は目に見えません。
抽象的被害と言われるだけあって、かなり深刻な状態にならないと表面化が難しく、周囲が気が付いたときは手遅れになることもあります。
その結果、そのショックから長期間の治療が必要になったり、フラッシュバックを引き起こし正常な人間関係を築くことが不可能になり、健全で安定した社会生活が射止めなくなることも考えられます。
精神的被害はあらゆる肉体的被害や詐欺行為によって起こることもあります。
精神的苦痛で慰謝料が請求できるかは、どのような行為により、どのくらいの被害があったのか、その因果関係を受けて判断することになります。
精神的苦痛で慰謝料請求ができる可能性のある具体例について挙げています。
慰謝料請求が成立する可能性のある場合
子どもが一人いますが、一年ほど前から夫は週末ほとんど家に帰りません。
初めのころは仕事が忙しいと言い訳していましたが、主人のワイシャツから漂う、女性物の香水の匂いや、レシートなどからも不倫していることは確実です。
最近、日に何度も無言電話がかかってきます。子どもが寝た後もお構いなしにしてくるので、おそらく不倫相手からの私への嫌がらせだと思います。
私は精神的にまいってしまい心療内科にかかっています。浮気が証明できたら、そのときは慰謝料と養育費をしっかりもらいたいです。
調査員の方に不貞行為の証拠収集と、どれほどの精神的苦痛を受けたかが慰謝料請求のポイントになると聞きました。
依頼して数週間後、調査報告として、夫が愛人と自宅やホテルを出入りする動画や画像を証拠として受け取ることができました。
今回の被害を受け、精神的に働くことが難しいほどのダメージを受けていることを考慮してもらえたので、夫からと不倫相手両方から慰謝料を取ることができました。
配偶者の不倫やDV、職場でのパワハラやセクハラなどによって受けた精神的苦痛に対して、金銭被害の有無に関わらず、慰謝料請求が認められる可能性があることを説明しました。
相談事例のような配偶者の不倫による精神的苦痛による慰謝料請求の場合、金銭的損失はなくても、夫に裏切られたショックや不倫相手の嫌がらせ、さらには婚姻関係の破綻など大きなダメージを負います。
被害実態が証拠により法的に認められたなら、慰謝料請求が成立します。
ただし、以下のような場合は、慰謝料請求が認められない可能性が高いです。
故意又は過失がなかった場合
不不貞行為に関して言えば、不倫相手が配偶者のこと既婚者と知らなかった場合、不倫相手には慰謝料請求できません。
また、いずれかが肉体関係を強要していた、相手が否定し証明できない場合も慰謝料請求できない可能性が高くなります。
時効が過ぎている
(1)損害及び加害者を知った時から3年間
(2)不法行為の時から20年間
証拠が何一つない
よって、加害行為の事実確認や被害実態を示す証拠を揃えなければ立証でいず慰謝料請求できない可能性が高くなります。
原則、不貞行為による慰謝料請求には肉体関係があったことを証明しなければならず、肉体関係がないのなら通常、慰謝料の支払義務を負うことはありません。
もし、その不倫が原因で精神的な病にかかってしまったような場合であれば、慰謝料を認められる可能性がより高まるといえるでしょう。
既婚者として世間一般で許される範囲を超えて、配偶者以外の異性と親密な関係を作り、平穏だった夫婦関係を壊し、精神的苦痛を与えた場合には、慰謝料の支払い義務が生じる可能性はあります。
不倫相手との肉体関係は証拠として見つからなかったが、ほぼ毎晩不倫相手と会って、家庭には最低限の生活費しか入れないにもかかわらず、不倫相手には高価なプレゼントや海外旅行などに出かけていた場合
その他にも以下のような行為は、被害者に相当な精神的苦痛を与えるものです。
精神的苦痛を受けた場合、金銭的損失や外傷などの形跡があるわけではないので、第三者に伝わりにくいことが考えられます。
裁判になった場合、不法行為を立証しなければ慰謝料は認められません。
だからこそ相手に請求をするにあたり、明確に被害実態を示す確かな証拠を揃える必要があります。
例えば、不法行為を裏付ける写真や動画、被害実態がわかる相手からのメール、被害状況に関する日記やメモ、また第三者の目撃証言などです。
加害者からの悪質な行為が原因で精神的苦痛が存在したことを証明します。
証拠を揃えたうえで、慰謝料請求について話し合っても合意できない場合、調停、裁判へと進みます。
自分で証拠を調べて、被害実態を証明することは不可能ではありません。
しかし、調査に費やす時間やエネルギーをねん出するのは精神的な負荷がかかるうえ、尾行、聞き込みなどのスキルも必要になります。
またリスクとして、加害者にバレたり、証拠隠滅されたり、裁判で認められない証拠しか入手できないケースも少なくありません。
心身にさらなるダメージを負うのを回避し、確実に勝つための証拠を集めるのなら、その道のプロである探偵に調査依頼することが最も安全策だといえます。
慰謝料とは、精神的苦痛に対しての賠償であり、損害賠償は金銭で行なうので、精神的苦痛を金銭に評価しなければなりません。
財産的な損害がない場合に精神的苦痛を算出するのは難しいと考えられます。
慰謝料の金額は精神的苦痛の加害行為の悪質性や、受けた苦痛の大きさによってきまりますが、本人が深く傷ついたと言っているだけでは、十分な基準とはいえません。
客観的に測る目安として、不貞行為の慰謝料額に影響する事情として考慮されます。一般的に下記のような内容から判断します。
不貞行為の場合の慰謝料相場はおよそ、50~300万円 です。
一般的な精神的苦痛慰謝料の基準としては、一般的な家庭では350万円程度またはそれ以下が多数を占めているようです。
抽象的損害に対する賠償について、ご参考になりましたでしょうか?
精神的苦痛は目に見えないからこそ、慰謝料請求において証拠収集が重要なポイントになります。
慰謝料請求窓口では調査・証拠を収集し、慰謝料を請求できると判断した場合、示談での解決もしくは裁判まで持ち越すのかまでをサポートいたします。
話し合いで揉めることが想定されるのであれば、専門的な知識とアドバイスが必要です。
状況やご要望に応じて示談交渉の場に同行し、立会人も務めるケースもございます。
被害者と加害者の双方が納得いく交渉の末、法に基づいた損害賠償を支払うことで解決の道は必ず開けます。
慰謝料請求や損害賠償の額についてもご不安があれば、まずは無料相談をご利用くださいませ。
執筆者 / 吉田 / 2024年7月18日更新
男女間トラブルをメインに活動して10年以上のキャリアの持ち主。自身でも婚活サイトを運営しているほどの世話好き。監修者・執筆者一覧へ
Copyright(C) 慰謝料請求専門調査窓口. All Rights Reserved.
(C) 慰謝料請求専門調査窓口