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公開日: 2025/11/10 最終更新日: 2025/11/13
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 公開日: 2025/11/10 最終更新日: 2025/11/13

上司からパワハラを受けたら慰謝料請求できる?方法や注意点を解説

上司からのパワーハラスメント(パワハラ)は、職場の健全な環境を破壊し、被害者に深刻な精神的・身体的苦痛を与える重大な人権侵害です。
もしあなたが上司の不当な行為によって心身にダメージを受け、休職や退職に追い込まれた場合、その苦痛に対して慰謝料を請求することができます。
この記事では、パワハラがどのような行為に分類されるのか、請求できる慰謝料の相場、慰謝料を請求する際の具体的な手順と注意点について解説します。
特に慰謝料請求のカギとなる「証拠の集め方」や、弁護士・探偵といった専門家の活用方法についても詳しく紹介します。

目次 [ 閉じる ]

上司から受けるパワハラの種類

部下を叱責する女性上司の口元

上司から受けるパワーハラスメント(パワハラ)は、その形態により大きく6つの類型に分けられます。
それぞれが部下に深刻な精神的、身体的苦痛を与え、就業環境を悪化させる要因になります。

1.身体的な攻撃(暴行・傷害)

身体的な攻撃は、上司が部下に対し、殴る、蹴る、物を投げつけるといった直接的な暴行を加える行為です。
指導の名のもとに胸ぐらを掴む、強く突き飛ばす、あるいはコップの水を浴びせかけるなど、身体に危害を加えたり威嚇したりする行為も該当します。
このような行為は、肉体的な苦痛だけでなく、職場に対する極度の恐怖心を生じさせ、被害者の心身の健康を損なう重大なハラスメントです。

2.精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)

精神的な攻撃は、人格や尊厳を否定する言葉によって、部下に心理的なダメージを与える行為です。
具体的には、大勢の前で「役立たず」「給料泥棒」「馬鹿」などと侮辱的な言葉を浴びせて大声で叱責する、業務上のミスに対し必要以上に長時間かつ執拗に責め立てるといった行為が挙げられます。
さらに、「目標未達なら辞表を書け」「家族に連絡するぞ」など、雇用不安や家族を巻き込むような脅迫的な発言もこれに含まれます。

3.人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)

人間関係からの切り離しは、特定の部下を意図的に職場内で孤立させる行為です。
上司の意に沿わない部下に対し、合理的な理由なく一人だけ別室での勤務を命じる(隔離)ことや、チームの会議や業務連絡のメールから意図的に外すことが具体例です。
また、挨拶をしても無視する、集団で仲間外れにするといった行為は、業務の際に必要な情報や協力が得られない状況を作り出して、被害者に「透明人間」のように扱われているという強い疎外感と精神的苦痛を与えます。

4.過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)

部下の能力や経験、または通常の労働時間から見て明らかに対応できない量の業務や、業務とは無関係な雑用を強制する行為です。
例えば、新入社員に対しベテランでも困難なレベルの業績目標を与えたり、終業間際に徹夜しても終わらないような仕事を押し付けたりする行為などが該当します。
これは、部下を疲弊させ、意図的に失敗させて叱責のタイミングを作る目的で行われる場合があります。

5.過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること・仕事を与えないこと)

過小な要求は、誰でもできる程度の単純な雑務しか与えない、あるいは一切の仕事を与えずに放置する行為です。
例としては、管理職や専門職に対し、理由もなく掃除や草むしりといった業務を長期間命じることなどが挙げられます。
「仕事はしなくていい」と業務を取り上げ、能力を発揮する機会を奪うことで、部下に「自分は会社にとって不要な存在だ」と感じさせることを目的に行われます。
自己肯定感を失わせ、退職に追い込もうとする意図が隠されていることもあります。

6.個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

個の侵害は、業務上の必要性を超えて部下の私生活に介入する行為です。
具体的には、交際相手の有無や結婚の予定、休日の過ごし方など、プライベートな事柄についてしつこく詮索する行為が挙げられます。
また、有給休暇の取得理由を聞くことや、本人の同意なく病歴や性的指向などの個人情報を他の社員に暴露することも該当します。
職場外での継続的な監視や私物の写真撮影を強制するなど、私的な領域を侵害し、強い不快感や精神的負担を与える行為です。

上司からパワハラを受けた場合の慰謝料の相場

封筒に入った現金

上司からのパワーハラスメント(パワハラ)に対する慰謝料は、被害者が受けた精神的苦痛を償うための損害賠償です。
その金額は個別の事案によって大きく異なります。
一般的な裁判例を参考にすると、慰謝料の相場は数十万円から数百万円程度が目安とされています。
しかし、悪質性が高いと判断されれば、数千万円に至る高額な賠償が認められるケースもあります。
裁判においてパワハラに基づく慰謝料請求が認められる場合、その金額は被害の程度で分かれます。
精神的な苦痛を伴うものの、比較的軽微なケースでは、慰謝料は数十万円程度に留まることが多いです。
しかし、より一般的な精神的苦痛を伴うケースでは、50万円から100万円程度が一つの目安となります。
さらに、パワハラが原因でうつ病や適応障害などの精神疾患を発症し、休職や退職に追い込まれた場合には、慰謝料額が100万円〜300万円程度に跳ね上がる傾向もあります。
事案によっては500万円を超えることもあります。

慰謝料の金額を大きく変動させる要素

変動させる要素について考える女性

裁判所が慰謝料額を決定する際には、パワハラ行為、継続期間、被害者の心身の状態など、多くの事情を考慮します。
特に金額を大きく左右する要因となるのは、行為の悪質性と被害結果の重大性です。
ここでは、それぞれの要素について解説します。

身体的な攻撃(暴行や傷害)を伴うパワハラ

精神的な攻撃のみの場合よりも悪質性が高いと判断され、慰謝料が高額になります。
また、「死ね」「給料泥棒」といった人格を徹底的に否定するような暴言や、大勢の前で罵倒されるなど、公開的かつ執拗な態様で行われた行為も、悪質性が高いと評価されます。

パワハラが長期間にわたり高頻度で繰り返された場合

このケースは、被害者の苦痛が甚大であると判断され、慰謝料が増額されます。
また、抵抗が困難な役員や直属の上司など、地位の高い人物からのパワハラも、その行為の重みが増します。

パワハラを受けた被害者の影響

パワハラによって精神疾患を発症し、治療が必要になったり、休職や退職を余儀なくされたりした場合、被害の重大性が認められ、慰謝料額は高額になります。
さらに、被害者が自死に至ったようなケースでは、遺族への慰謝料として数千万円に及ぶ高額な賠償が認められることになります。

会社がパワハラの事実を知りながら調査や防止措置を怠った

会社の安全配慮義務違反が重いと判断され、賠償額が増額される要因となります。
慰謝料請求をする際は、これらの増額要因を裏付ける証拠を揃えることが、適正な賠償を得るためのポイントとなります。
労働問題に精通した弁護士に相談し、被害に応じた適切な請求額を見極めることが肝心です。

上司からパワハラを受けて慰謝料を請求する手順

慰謝料請求をする手順について説明する女性

上司からパワーハラスメントを受け、その精神的苦痛に対する慰謝料を請求する場合、法的措置を取ることが重要です。
慰謝料は、加害者である上司本人に対しては不法行為責任を、そして会社に対しては使用者責任や安全配慮義務違反を根拠として請求できます。

ここでは、上司からパワハラを受けた場合、慰謝料を請求する手順について紹介します。

パワハラの証拠を集める

まず最初に行うべきは、パワハラの証拠の収集です。
慰謝料の請求が認められるか、その金額が適正であるかは、この証拠の有無と内容によって決まります。
証拠の例としては、暴言や脅迫が行われた際の音声データや、侮辱的な内容、あるいは遂行不可能な要求が記されたメールやチャットの記録などが挙げられます。
さらに、いつ、どこで、誰から、どのようなパワハラを受けたのか、その時どう感じたのかといった詳細を記した日記やメモも重要な証拠となります。
もしパワハラが原因でうつ病や適応障害などの精神疾患を発症した場合は、医師の診断書や通院記録も必ず準備してください。
これらの証拠は、後の交渉や法的手続きにおいて、あなたの主張を裏付ける決定的な根拠となるのです。

相談窓口で相談する

十分な証拠が集まったら、人事部やハラスメント相談窓口、コンプライアンス窓口など、社内の正式な窓口に相談しましょう。
事実を報告し、社内で解決できるか検討します。
会社にはハラスメント防止法に基づき、適切な対応を行う義務があります。
この段階で加害者への処分や配置転換、あるいは示談による慰謝料の支払いに応じる可能性もあります。
ここで会社がどのような対応をとったかという記録も、後の安全配慮義務違反を追及する際の重要な証拠として残しておきましょう。

法的措置に移行する

もし社内での解決が見込めない場合や、会社が事実を認めない場合は、法的な措置へ移行します。
その第一歩として、内容証明郵便を用いて、加害者本人および会社に対し、慰謝料の支払いを求める通知書を送付します。
この通知書には、パワハラの具体的な事実、請求する慰謝料の金額、請求の法的根拠、そして支払期限を明確に記載します。
内容証明郵便の利用は、相手に請求内容が法的に通知されたことを証明する意味合いがあり、相手の「知らない」という主張を封じることが可能です。

裁判手続きに進む

この通知書を送付してもなお相手が請求に応じない場合は、示談交渉、または裁判手続きに進みます。
まずは弁護士を代理人として、加害者や会社と直接、慰謝料額や和解条件について話し合う示談交渉を進めるのが一般的です。
交渉で合意に至れば、示談書を作成して解決となります。
交渉が難航した場合は、労働局のあっせんや、より迅速な解決を目指す労働審判、そして最終手段である民事訴訟(損害賠償請求訴訟)といった裁判手続きを検討することになります。
特に訴訟では、裁判官が提出された証拠に基づいて事実認定を行い、慰謝料の支払いを命じるかどうかを判断します。
慰謝料請求は複雑な手続きは、被害者の精神的負担も大きいため、労働問題に詳しい弁護士などの専門家に早期に相談すのがおすすめです。
弁護士は、証拠収集のアドバイスから、説得力のある請求書の作成、交渉の代理、そして裁判手続きの全てを任せられるため、被害者が正当な賠償を得るための最良のサポートとなります。

上司からパワハラを受けた場合の慰謝料請求に関するQ&A

Q&A

最後に、上司からのパワハラに対して慰謝料を請求しようとする際、多くの被害者の方がもつ疑問点について回答をまとめました。

Q1:パワハラが原因で会社を辞めてしまいました。退職後でも慰謝料は請求できますか?

A1:退職後であっても、慰謝料請求は可能です。
慰謝料請求権は、パワハラによる不法行為が成立した時点から発生しています。
ただし、権利には消滅時効が存在するため注意が必要です。
不法行為(パワハラ)に基づく慰謝料請求権は、原則として「被害者が損害および加害者を知った時から3年」、または「不法行為があった時から20年」のいずれか早い方で時効になります。
特に、パワハラによって精神疾患などの生命または身体を害する損害が発生した場合は、「損害および加害者を知った時から5年」に時効期間が延長されます。
退職後であっても時効が成立していない限り請求は可能ですが、証拠収集の観点からも、できる限り早く行動を起こすことが望ましいです。

Q2:慰謝料は加害者である上司にだけ請求できるのでしょうか?

A2:加害者である上司本人と、会社(勤務先)の両方に請求することができます。
パワハラは、上司の不法行為責任(民法第709条)に基づくため、加害者本人に慰謝料を請求できます。
加えて、会社に対しても、主に二つの法的根拠に基づいて請求が可能です。
一つは、会社が上司の行為について責任を負う使用者責任(民法第715条)です。
もう一つは、会社が従業員をハラスメントから守る義務を怠ったとする安全配慮義務違反(労働契約法第5条)です。
そのため、慰謝料請求を行う際は、資力の点からも、責任の所在を明確にするためにも、加害者本人と会社の両方を相手方とすることが一般的です。

Q3:弁護士に依頼すると、どのくらいの費用がかかりますか?

A3:弁護士費用は、法律事務所や事案の難易度、獲得できた金額によって異なりますが、主に「相談料」「着手金」「報酬金」で構成されます。
▼相談料
初回無料としている事務所も多いですが、有料の場合は30分あたり5,000円程度が相場です。
▼着手金
請求の手続きに着手する際に支払う費用で、数十万円程度(10万~30万円程度)が目安ですが、着手金を無料とし、成功した場合のみ報酬金を支払う完全成功報酬制を採用している事務所もあります。
▼報酬金
最終的に慰謝料を獲得できた場合に、その獲得額(経済的利益)に応じて支払う費用で、一般的には獲得額の10%〜15%程度が相場とされています。
弁護士費用を考慮すると、獲得できる慰謝料額が費用を下回る可能性もゼロではありません。
そのため、弁護士に相談する際には、予想される獲得額や具体的な費用の内訳について、事前にしっかりと確認し、納得した上で依頼することが大切です。

Q4:慰謝料請求に必要な「証拠」とは具体的にどのようなものですか?

A4:慰謝料請求の成否を分ける最も重要な要素であり、客観的かつ詳細な記録が必要です。
特に有効な証拠は、パワハラの事実を直接証明する録音データ(暴言や威圧的な言動)や、メール、チャット、業務日報などの書面記録です。
また、パワハラ行為の日時、場所、内容、加害者名、そしてそれによってご自身が受けた精神的な苦痛の程度を詳細に記録したメモや日記も、証拠として重要視されます。
さらに、パワハラの結果として精神疾患を発症した場合は、医師による診断書(病名、発症時期、原因、治療期間を明記)や通院記録が、被害の重大性を証明する決定的な証拠となります。
証拠は多ければ多いほど、また客観的であるほど、請求を有利に進めることができます。

上司のパワハラの証拠収集なら探偵にお任せ!

虫眼鏡を片手にこちらを見つめる女性探偵

上司から受けたパワハラに対する慰謝料請求を有利に進めるためには、客観的かつ法的に有効な証拠の存在が不可欠です。
しかし、被害者自身が勤務中に証拠を集めることは、精神的な負担が大きい上に、加害者や会社に気づかれ、さらに状況が悪化するリスクも伴います。
このような場合、探偵や調査会社に証拠収集を依頼するのがおすすめです。

探偵にパワハラ調査を依頼するメリット

探偵にパワハラ調査を依頼する最大のメリットは、被害者自身が直接リスクを負うことなく、客観的証拠を入手できるという点です。
まず、精神的負担が大幅に軽減されます。
被害者自身がパワハラの状況を録音したり、詳細に記録したりする必要がなくなり、加害者との接触機会も減るため、精神的なストレスの増強を防ぐことができます。
探偵は被害者や会社とは無関係の第三者として中立的な立場から調査を行うため、収集された証拠は偏見のない客観的なものとして評価されやすく、裁判や示談交渉の場で高い信用性を確保できます。
さらに、探偵は尾行や張り込み、関係者への聞き込みといった専門的な調査技術とノウハウを駆使します。
そのため、被害者自身では困難な、職場外や特定の場所で行われるパワハラ行為の証拠を、効率的かつ成功率高く収集することが可能になります。
多くの探偵事務所は弁護士と連携体制を構築しているため、収集した証拠が法的に有効かどうかの判断を仰ぎやすく、その後の慰謝料請求や法的手続きへスムーズに移行するためのアドバイスを受けられる魅力もあります。

探偵に依頼する際の注意点と費用

パソコンで探偵事務所を吟味する男性

探偵への依頼はパワハラ証拠収集において良い手段ですが、依頼を検討する際にはいくつか注意点があります。

費用が発生する

当然のことながら費用が発生するという点が挙げられます。
探偵の調査料金体系は時間制やパック制など事務所によって異なりますが、調査期間が長期に及ぶ場合や、複数の調査員が必要とされるケースでは、費用は数十万円から、場合によっては百万円を超える高額になる可能性もあります。
そのため、依頼する前には必ず見積もりをしっかりと取得し、調査内容と費用の内訳を明確に理解しておくことが極めて重要です。

探偵の調査にも限界がある

探偵の調査には限界があるという事実を理解しておく必要があります。
職場内部や機密性の高い場所での調査活動は、法律やプライバシー保護の観点から制限を受けます。
具体的に探偵が行えるのは、主に尾行や聞き込み、そして公開された場所での行動記録の収集など、あくまで合法的な範囲内での調査活動に限られます。

探偵選びに気を付ける

探偵事務所の選定を慎重に行う必要があります。
探偵の調査能力や信頼性は事務所ごとに大きく異なるため、パワハラやハラスメント案件の取り扱い実績が豊富であるかといった基準に基づき、十分な比較検討を行うことが成功の鍵となります。
パワハラの証拠収集は、慰謝料請求の重要なポイントです。
自分で対応が難しい場合、探偵への依頼は一つの強力な解決策となります。
まずは労働問題に詳しい弁護士、または探偵事務所に相談し、証拠収集の戦略と費用についてアドバイスを受けるのがおすすめです。

監修者・執筆者 / 山内

1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者・執筆者一覧へ

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