公開日: 2026/08/10 最終更新日: 2026/07/14
探偵ファイル - 慰謝料用語
 公開日: 2026/08/10 最終更新日: 2026/07/14

貞操権侵害

交際相手が独身だと信じていたのに、後から既婚者だったと分かるなど、相手の説明によって交際するかどうかの判断が左右された場合、貞操権侵害が問題になることがあります。

慰謝料請求を検討する場合は、相手の説明内容、交際の経緯、結婚に関する話、現在残っている証拠をまとめておくことが大切です。

相手へ連絡する前に、LINE・写真・音声・送金記録など、手元にある資料を消さずに保存しましょう。

慰謝料請求で使われる基本用語

貞操権侵害とは

貞操権とは

貞操権とは、誰と性的関係を持つか、そもそも関係を持つかどうかを、自分の意思で決めることに関わる権利です。

相手が既婚者であることを隠すなど、交際の判断に大きく影響する虚偽があった場合、この権利が侵害されたとして問題になることがあります。

代表的な例として、既婚者が独身だと偽り、相手に結婚を期待させながら交際を続けていたケースがあります。

貞操権侵害は法律上どのように扱われるか

貞操権侵害は、民法にそのまま定義されている名称ではありません。

相手の事実と異なる説明によって、誰と性的関係を持つか、また関係を持つかどうかを自分の意思で決める自由が損なわれたとして、慰謝料請求が検討される場面で使われる表現です。

貞操権侵害として認められるかどうかは、交際の経緯、事実と異なる説明の内容、証拠、受けた損害などをもとに個別に判断されます。

貞操権侵害が問題になりやすいケース

既婚者であることを隠していた場合

相手が既婚者であることを隠し、独身だと説明して交際していた場合、貞操権侵害が問題になることがあります。

  • 独身だと明確に説明していた
  • 離婚が成立していると説明していた
  • 結婚を前提として交際していた
  • 両親への紹介や結婚準備を進めていた

相手が既婚者だったという事実だけでなく、どのような説明を受け、それを信じて交際したのかが重要になります。

結婚を前提とした説明に重大な虚偽がある場合

独身かどうかだけでなく、結婚を前提とした具体的な説明に重大な虚偽があった場合も、慰謝料請求を検討できることがあります。

  • 具体的な結婚時期を繰り返し伝えていた
  • 式場や新居について話し合っていた
  • 家族へ婚約者として紹介していた
  • 結婚準備のために金銭を支出した
  • 氏名・年齢・職業などを偽っていた

相手に本当に結婚する意思があったかは、言葉だけでは判断しにくいため、メッセージや具体的な行動から交際の実態を整理します。

貞操権侵害と慰謝料請求の関係

請求前に押さえておきたい事情

慰謝料請求を検討する際は、相手の事実と異なる説明によって受けた精神的苦痛や金銭的負担をまとめておく必要があります。

  • 相手がどのような説明をしていたか
  • その説明を信じた経緯があるか
  • 交際期間や関係の内容
  • 結婚に向けた具体的な準備があったか
  • 相手の説明が虚偽だと判明した経緯
  • 結婚準備などの金銭的負担や精神的苦痛があったか
  • 説明内容を裏付ける証拠が残っているか

交際の状況によって必要な判断材料が異なるため、手元の証拠をまとめたうえで弁護士へ相談してください。

必ず慰謝料請求が認められるわけではない

相手に虚偽の説明があった場合でも、必ず貞操権侵害として慰謝料請求が認められるわけではありません。

交際期間、説明の具体性、相手が既婚者であると知っていたか、既婚者だと疑う事情があったか、証拠の有無などによって判断が分かれることがあります。

慰謝料請求の可否や請求額については、個別の状況を確認したうえで弁護士へ相談する必要があります。

請求前に整理したい証拠

独身や結婚に関する説明を保存する

相手が独身だと説明していた記録や、結婚を前提としていたことが分かる資料を保存します。

  • LINE・メール・SNSのメッセージ
  • 独身や離婚済みだと説明した記録
  • 結婚時期や将来について話した記録
  • 婚約指輪や式場に関する資料
  • 新居や同居について話した記録
  • 家族や友人へ紹介された際の資料
  • 既婚者であることを隠していたと認める発言や謝罪

スクリーンショットだけでなく、日時やアカウント名が分かる状態で保存しておくことが大切です。

交際の経緯を時系列でまとめる

証拠とあわせて、出会いから既婚者だと判明するまでの経緯を時系列でまとめます。

  • 出会った時期ときっかけ
  • 交際を始めた時期
  • 独身や結婚について説明された時期
  • 結婚準備や金銭支出の内容
  • 不自然な言動に気づいた時期
  • 既婚者だと分かった経緯
  • 判明後の連絡や相手の対応

証拠がある出来事と、記憶に基づく内容を分けて記録しておきましょう。

相手情報が不足している場合

相手が偽名を使っていた場合

交際相手が偽名を使っていた場合や、氏名・住所・勤務先が事実と異なる場合は、慰謝料請求に必要な相手の本名や住所が分からないことがあります。

  • 本名を教えてもらっていない
  • 名刺とSNSで氏名が異なる
  • 電話番号やSNSしか分からない
  • 聞いていた住所が存在しない
  • 勤務先として聞いた情報が事実と異なる
  • 既婚者だと判明した後に連絡を絶った

資料で裏付けられる情報と、本人から聞いただけの情報を分けておきましょう。

所在確認や勤務先確認が必要な場合

相手の本名が分かっていても、現在の住所や生活拠点が不明な場合は、所在確認が必要になることがあります。

勤務先については、相手から聞いた内容が事実かどうかを確かめる目的で、調査を検討することがあります。

勤務先や家族へ連絡して支払いを迫ることを目的とした調査には対応できません。

書面の送付方法や請求手続きについては、弁護士へ相談してください。

貞操権侵害で注意したいこと

証拠を保存してから対応を考える

既婚者だと分かった直後に相手へ連絡すると、メッセージやSNSが削除される可能性があります。

まず証拠を保存し、次のような対応は避けてください。

  • 相手や家族へ繰り返し連絡する
  • 勤務先へ交際内容を伝える
  • SNSで氏名や写真を公開する
  • 支払いを求めて脅すような連絡をする
  • 他人になりすまして情報を聞き出す
  • 相手のアカウントへ不正にログインする

現在の証拠を保存したうえで、今後の対応を弁護士へ相談してください。

同意のない性的行為や暴力があった場合

同意のない性的行為、暴力、脅迫があった場合は、貞操権侵害とは別の重大な問題が含まれる可能性があります。

避妊に関する意思を尊重されなかった場合も、一人で判断せず、警察や支援機関、弁護士などへ相談してください。

メッセージ、通話履歴、診療記録などがある場合は、無理のない範囲で保存しておきましょう。

貞操権侵害で探偵調査が関係する場面

証拠整理・身元確認・所在確認のサポート

相手の説明に不自然な点がある場合や、氏名や住所が分からない場合は、適法な範囲で調査を検討できることがあります。

  • 既婚・独身に関する説明に不自然な点がある
  • 相手の本名や現在の住所が分からない
  • 勤務先として聞いた情報を確認したい
  • 相手と連絡が取れなくなった
  • 弁護士へ説明できるよう資料をまとめたい

探偵が対応できるのは、証拠収集や、身元・所在・勤務先に関する調査です。

貞操権侵害の成立判断、慰謝料額の判断、書面作成、示談交渉については、弁護士へ相談してください。

ワンポイント

相談前に、相手から聞いた内容を「資料で裏付けられるもの」「本人から聞いただけのもの」「事実と異なる可能性があるもの」に分けておきましょう。

交際の経緯と相手情報を分けてまとめると、不足している情報が分かりやすくなります。

貞操権侵害に関連する項目

貞操権侵害は、既婚者トラブル、精神的苦痛、損害賠償、相手の身元確認などと関係することがあります。

関連項目もあわせて読むと、慰謝料請求前に必要な証拠や相手情報を把握しやすくなります。

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